日本の研究人材・科学技術人材について考える

日本の研究人材・科学技術人材政策について考える

日本の研究人材・科学技術人材をめぐる状況や施策等について、政府や関係機関の公表データなどから考えたことを記録しています。

女子学生と留学生の状況(研究者育成の状況⑤)

女子学生の博士進学率は、男性と同水準

 博士課程学生75,345人のうち、女性は25,588人(34.0%)となっている。女性の比率は、経年で増加傾向にあるが、「人文科学」では半数を超える一方で、「理学」「工学」では2割程度となっており、分野によって差が大きい。

 修士課程の女性の割合は31.8%であることから、博士課程の女性割合34.0%は、これをやや上回る比率となっている。この背景として、近年、修士課程から博士課程への進学率は、男女間でほぼ同水準となっていることも注目すべき事象と思われる。一方で、学部での女性比率は45.5%であることから、学部から修士への進学の段階で女性の割合が低下していることとなる。博士課程・修士課程においては、学部段階と比べ、「理学」「工学」などの女性の割合が低い「自然科学」系が多くなっていることの影響もあると考えられるが、いずれにしても学部への入学の段階からの対応が必要であり、「理学」「工学」等の分野への女性の関心を高めるような取組が、高等学校段階から行われることが重要と考えられる。

 なお、「保健」分野の学部での女性割合は、学部段階では6割を超えている。「看護学」(91.1%)の影響が大きいが、「医学」(34.4%)、「歯学」(43.2%)、「薬学」(60.3%)、なども女性の割合は高く、資格取得につながる、ひいては安定的な職につながる分野についての人気が高くなっているように思われる。この背景には、高等学校での進路指導や保護者の意識の影響もあると思われ、女性研究者の活躍する姿を様々な形で発信していくこと等により、関係者の意識の変化につなげていくことも重要と考えられる。

 

留学生は博士課程入学者の43%、中国からの学生が6割以上

 留学生の割合についても、近年増加傾向にあり、2020年度には、博士課程入学者全体で43.2%が留学生となっている。学部(2.5%)、修士(9.8%)と比べても、博士課程においては、非常に留学生の割合が高いことが分かる。なお、留学生については、外国からの政府派遣の留学生など、社会人も数多く含まれており、社会人学生の数と重複することに留意が必要である。

 留学生の出身国別の統計は、大学院全体のものとなるが、国費留学生、私費留学生の合計約5万3千人のうち、中国が約3万6千人で6割以上を占めている。その他、インドネシア、韓国・朝鮮、ベトナム等が千人を超えている。留学生の中には、ポストドクターとして研究室に残る者も一定数存在し、ポストドクター等の約3割は外国人となっている。安全保障の観点からの留意は必要と考えられるが、日本の若年人口が減少していく中で、日本の科学技術力を支えるという観点からの留学生受入れの重要性も再認識することが必要と思われる。

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大学院で受け入れている留学生の主な出身国と学生数(出典:学校基本調査)

 

(参考)

学校基本調査:文部科学省